有名なはずなのに…… ~カプレーティ家とモンテッキ家~

さて、ずっとずっと書きたかったお話。

 

「カプレーティ家とモンテッキ家」

通称カプモン。

 

最近話題のポケモンのモンスターでも

類似アプリでもありません。(笑)

 

れっきとしたオペラ作品のタイトルです。

 

 

この週末、9月10&11日の土日に、

私も所属している藤原歌劇団の本公演で

『カプレーティ家とモンテッキ家』が上演されます。

 

 

聞いたことないタイトルだなぁと思った方。

 

『ロミオとジュリエット』

 

といえばわかりますでしょうか。もしくは

 

『ウェストサイド物語』

 

でも分かる人はいるかな?

 

 

そう、このカプモン。

『ロミオとジュリエット』のイタリアオペラ版です。

 

 

『ロミオとジュリエット』という有名な題名でフランス人のシャルル・グノーも作曲していますが、

こちらも要は話はロミオとジュリエット。大筋はほぼ一緒。

(ちなみにフランスの方は通称ロミジュリ)

 

 

こう聞けば、タイトルやお話を知らない人はぐっと減るでしょう。

1990年代、レオナルド・ディカプリオ主演にて映画化されたロミジュリもありましたし、

作品自体はかなり有名どころじゃないかなと思っています。

 

 

 

……そう、作品のストーリー自体はざっくり同じで有名なはず!

 

 

 

なのに…

常々思うのですが、絶対これ、タイトルで損してる。(笑)

 

 

 

いえ、正式なタイトルなのでそれ自体は問題ではないのですが、

なんというか、タイトルの知名度で損しているといいますか・・・。

タイトルがこれなら、宣伝の時にロミジュリと入れてみるとかしてもいいんじゃないかなぁと思ったり…。

 

実際、私自身もこの世界で勉強するまでカプモンの存在は知らず、

某研修所時代の二重唱課題でロメオが当たり、

「…ん、ロメオ??ロミオの事?」とそこでやっと知ったくらいです。

 

 

 

 

実は二重唱こそ、そこそこあちこちのハイライト公演などで演奏されますが

オペラ1本がまるっと公演打たれることはそうそうないようです。

 

逆に言うと、それだけ公演回数が少ないオペラが、

本格的な舞台も付いたうえで見られるこの機会は結構珍しいのです。

だから行きたかったのですが…愛媛なう。

 

 

 

とそんなわけでそのくらい、話は有名なのに知名度が低い作品と思われます。

一般の、それこそオペラが好きな人や、ロミジュリの作品が好きな人など一定のファンや有識者以外、

残念ながら、日本で普通に生活をしていて気付く人は少ないのが現状じゃないかなぁ…。

 

 

 

もうちょっと、

「あ、それ、ロミジュリなんだよー!」

とアピールできれば、少しは興味持つ人も出てきそうな気がしなくはないのですが…

でもそこは私たち演奏家の努力にもあたるかもしれませんね。

 

今年、シェークスピア没後400年のメモリアルイヤーでもありますし、

絶対機会はあると思うんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

そうそう、二重唱こそあちこちのハイライト公演で演奏されているというのは…

先にロメオが当たったという内容でピンときた方もいらっしゃるかと思いますが、

ロメオもジュリエットも女役なのです。

 

まわりは男性陣で固められてますが、主役二人は宝塚状態。

 

そんなわけで女性の演奏家が多い演奏会での二重唱というとロミジュリは選択肢に入り、

抜粋で良く演奏されています。

…ただし部分によっては抜粋・カットしないとえらい長い演目になってしまいますが。(笑)

 

 

 

 

 

…とこんなよもやま話を含めつつ。

 

 

イタリアオペラのロミオとジュリエットことカプモン。

今週末はポケモンを探しつつ(笑)、新国へいかがでしょうか。

 

※作品中にポケモンは多分出ません。

また公演中はお静かに…決してさ迷い歩きませんように。